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スピーカって作れるの?

初めての自作スピーカー作り講座

スピーカーって作れるの?

−−よく言われる言葉です。

もちろん作れます。

仕組みは簡単です。


自作スピーカー塗装 日曜大工で箱を作って、
自作スピーカー ユニットの取り付け 配線を通してユニットを取り付ければ…
自作スピーカーFostexFF125WK完成図 はい、出来上がり!

簡単でしょう?

音を追求していけば色々な仕掛け・ノウハウがありますが、仕組みは至って簡単です。
そして、細部にちょっと気を回していけば、あっという間にそこらの市販スピーカーを凌ぐ音が出てきます。
同じお金を出すのだったら、自作スピーカーの方が格段に良い音が出せるのは、スピーカー自作派の常識です。

また、オーディオファンならば、憧れのスピーカーなんていうのもあることでしょう。
その憧れのスピーカーを目指して、ただひたすらに真似をして作ってみるのもアリですし、
自分の理想のユニットを、自分の理想の構造のエンクロージャーに入れ、吸音材やケーブル、インシュレーターなどもこだわって「世界にひとつしかない、自分の理想のスピーカー」を作り上げる、というのもスピーカー自作の醍醐味のひとつです。

どのユニットを使おうか。
エンクロージャーはどんな構造にする? 大きさ、形状は?
−−そんなことを考えていると、いつしか夢中になっているあなたがいます。
そして、工作をして形にして、音を出して調整をして−−。
お金を出して高価な機器を買うだけではない、オーディオの本当の楽しみがそこにはあります。

ようこそ、スピーカー自作の世界へ。
別にお金持ちである必要はないですし、メーカー技術者クラスの知識がなくても大丈夫です。
お小遣いレベルの予算しかなくとも充分ハイレベルな音は出せますし、知識面・技術面もいつしか育っていくものです。
生涯の趣味とするに足る、芳醇な世界へ、さあ、ようこそ!


自作スピーカー作り方講座 スピーカーの構造 フルレンジとマルチウェイへ進む

スピーカーの構造1

初めての自作スピーカー作り講座

自作スピーカー作り方講座 スピーカーの構造〜フルレンジとマルチウェイ

さて、それではまずはひとつ、作ってみましょう。
初めなので、シンプルにフルレンジの1発が良いでしょう。

−−フルレンジ1発って何? そんな声が聞こえてくるようです。
では少しだけお勉強しましょうか。

フルレンジとマルチウェイ(2Way/3Way…etc)

スピーカーは高音から低音までワイドレンジに再生できるべきですが、高音再生には振動板の小さなユニットが有利で、逆に低音再生には振動板が大きなユニットが有利なので、全ての音をひとつのユニットで再生しようとするフルレンジユニットには自ずと限界があります。

そこで、高音は振動板の小さな高域専用ユニットを使い、低音は振動板が大きい低域専用ユニットを使うよう、音を分割して専門的に再生させる、という方式が生まれました。
2分割再生方式を2Way、3分割を3Wayなどと呼び、また、高音専門ユニットをツイーター、低音専門ユニットをウーファーと呼びます。(3Wayの中域専用ユニットはスコーカー)
これにより各帯域を最適なユニットで再生することができますが、課題も出てきました。

それは、元々の音声信号を分割して各帯域のユニットに送らなければならなくなったことです。分割にはコイルやコンデンサを使ったディバイディングネットワーク(通称ネットワーク)を使うのが一般的ですが、やはり余計なものが入ると音のピュアさが失われがちです。

また、ネットワークの他にも、音源が増えるという構造的な問題もあります。
人間の耳はふたつあり、視覚ほどではありませんが、左右の耳で捉えた内容を立体的に認識することが可能です。ピュアオーディオに欠かせないステレオ再生というのは、これを利用したものです。そしてその左右のステレオスピーカーから音を出す場合、各々1点の音源から音が出てきていた方が、より立体的に定位が定まり、音像をくっきりと描くことが出来ます。
ですが、2Wayや3Wayなどのマルチウェイの場合は、それぞれの帯域が別々のユニットから出てきますので、定位が定まりにくく、音像もぼやけがちになるという課題があるのです。

それでも今の市販スピーカーは2Wayや3Wayが主流で、課題を見事に回避し、素晴らしい音を奏でるスピーカーも多く存在します。
極高域から極低域までワイドに再生できるのはやはり大きな魅力です。
しかし、フルレンジユニット単発に魅力がないかと言えば、そんなことは全くありません。
定位は抜群ですし、余計なネットワークを挟まずによりピュアで生の音を奏でてくれるため、未だにスピーカー自作派を中心に大きな支持があります。
この後、「初めての自作スピーカーの作り方講座」では、まずこのフルレンジ1発のスピーカー作りを取り上げますので、ぜひ皆さんもその音の素晴らしさを実感してみてください。


自作スピーカー作り方講座 スピーカーの構造 エンクロージャーあれこれへ進む

スピーカーの構造2

初めての自作スピーカー作り講座

自作スピーカー作り方講座 スピーカーの構造〜エンクロージャーの構造あれこれ

スピーカーには、フルレンジとマルチウェイの方式の他に、エンクロージャーの構造の方式の違いがあります。

音の特性として、高音はまっすぐ進むのですが、低音であればあるほど回り込む性質があります。スピーカーとして音を再生するにあたり、やっかいなのはこの低音です。
スピーカーユニットをエンクロージャーに取り付けずに、そのままケーブルに繋いで音を出したとしましょう。
振動板はズンズン動いているのに、耳に入るのはチャカチャカした高音だけです。
これは次のようなことです。
ユニットが低音を再生しようとして振動板をズン、と前に動かします。すると振動板の前の空気にその振動が伝わって、音として低音が作り出されます(ズン、のタイミングでプラス圧の振動音波)。ここまでは問題ありません。
そして、ズン、と前に動いた振動板、その裏側でも同じ振動で音が作り出されます。ただし、こちら側の音はズン、のタイミングで振動板が引っ込んでいく形になりますので、ちょうど振動板の正面とは逆相のマイナス圧の振動音波が作られることになります。
そうして、それらが回り込み、お互いにぶつかって消えてしまうのです。
せっかく低音を作り出してもそのままだと消えてしまうので、スピーカーの構造としては、まずこの低音をどう出してやるかの戦いとなります。

まずひとつの解決策として、平面バッフルと呼ばれるものがあります。
これは折角の低音が回り込んで打ち消しあわないように、壁をつくってやるという発想から生まれたものです。
形としては単純、平板に穴をあけてユニットを取り付ける、というもの。前の音と後ろの音はこの平板で遮蔽され、打ち消されることはありません。
箱鳴りもなく、非常に開放的な音になりますが、取り付ける平板の大きさがそのまま再生できる低音の限界となります。
実用的な低音を出すには、非実用的なほど大きな平板にしなければならず、あまり用いられることはありません。

次いで、後面開放型と呼ばれるものがあります。
これは大きくなりすぎる平面バッフルの上下左右を後ろに折りたたむ、というもの。かなりコンパクトになります。
理論的には、折りたたんでも再生できる低音限界は変わりませんので、平面バッフルの欠点をかなり改善したものといえます。
ただ、それでもやはり、充分な低音を求めるとサイズが大きくなりすぎるという欠点があります。

そしていよいよ密閉型の登場です。
後面開放型の後面を塞いだ最終形で、平たく言うと「箱型」です。箱として密閉していますので、ユニット前後の低音が打ち消しあうことはありません。
箱の中に閉じ込められた空気を、振動板が振動する際のサスペンションとして活用するアコースティックサスペンションという考え方も生まれ、現代のスピーカーの基本とも言える形です。
音の傾向としては緻密で素直に鳴るものが多いのが特徴です。

そして、現在市販スピーカーで主流となっているのが、バスレフ型です。
バスレフとはバス・レフレックスの略で位相反転型などとも訳されますが、単純に言うと、共鳴を利用して低音域の増強を図っている方式のことです。
瓶の口に息を吹き込んでホーホー鳴らす、アレをスピーカーにも作ってあげるといえば判りやすいでしょうか。よくスピーカーのエンクロージャーには丸い穴が空いていますが、あれはその後ろにダクトがついていて、「ホーホー」の原理で低音を増強している印です。
「ホーホー」は正確には「ヘルムホルツの共鳴」と言い、ダクトの断面積と長さで共鳴する周波数が計算できます。密閉型で再生できる周波数のすぐ下ぐらいの周波数を狙ってバスレフダクトを作ってやれば、実質的にスピーカーとしての再生低音域を広げることが出来ます。

その他、バックロードホーンという構造もありますが、これは故・長岡鉄男氏が多くの設計を残し、未だに国内外共にファンが多い形です。振動板が軽い割に巨大なマグネットを持つ専用のユニットを使いますが、これはそのままだと中高域は非常にハイスピードで活気溢れる音ですが、低域は不足気味になってしまうユニットです。これを、ユニット背後に長く折りたたんだホーンを持つ特殊な設計のエンクロージャーで低音を補強してあげると、一度聴いたら癖になる、市販品にはない素晴らしいスピーカーになります。皆さんもぜひ一度はお試しを!

他にも種類はありますが、まずは上記を知っておけば充分です。
さあ、実際の製作に取り掛かりましょう!


自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−箱の材料選びと切断 へ進む

実践編-材料と切断

初めての自作スピーカー作り講座 実践編

自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−箱の材料選びと切断

<初めに>

「初めての自作スピーカーの作り方講座」の記念すべき第一弾は、バスレフの小型ブックシェルフです。
初めての…に相応しく、ユニットは入門に最適なFostex製のFF125WK。本来ならエンクロージャーの大きさの計算から入るべきですが、今回はまだそこには立ち入らずに
メーカー推奨箱のとおりに作っていこうと思います。

<材料選びと切断>

自作スピーカーの作り方 シナアピトン合板箱(=エンクロージャー)製作に使用する材に特に決まりはありません。良く言われることですが、ユニットが入っていた段ボール箱に穴を開けてユニットを取り付けてもきちんと音は出ます。
ただ、やはり木材、それも均一で比重が高いもので作ってあげた方が良い音になるのは事実です。

無垢の一枚板でも良いですし、集成材でも良いでしょう。材によって響きが変わってくるので、楽器などで使われている材なども視野に入れつつ徐々に自分好みの材を探していくのも面白いものです。

また、そうした無垢系の材だけでなく、一般的にはMDFと呼ばれる人工材や各種合板などもスピーカー作りには向いています。
均質で比重が高いこと、強度もあること、そしてなにより無垢系の材に比べて安価なので、今やスピーカーエンクロージャーの材料の主流となっています。
さて、今回の「フルレンジ・バスレフスピーカー作り」は合板にてエンクロージャーを製作していきます。
合板と言えばフィンランドバーチ合板が高級どころとして有名ですが、今回はシナアピトン合板にしてみました(写真)。木口の縞模様が美しく、オーディオ用としても定評があるからです。もちろん手持ちの材を使っても構いません。小型の箱なので厚みは15mm程度で充分です。
自作スピーカーの作り方 丸ノコとガイド材のカットはホームセンターなどでもやってくれますし、ネットの木材店ではカットまでしてくれるところもあります。また、ユニットによってはエンクロージャーのキットも出ていますので、それを利用しても良いでしょう。

自分でカットする場合は精度が大切です。各寸法もさることながら、直線にカットが出来ていないと組み上げるときに隙間ができてしまいますし、直角をきちんと出してあげることも大切です。

とはいっても、けして職人技が必要という訳ではありません。
素人が手軽にホームセンターなどで入手できる切断系の工具としてはジグソー・丸ノコがありますが、それらに加え写真のような直線カット用のガイドがあれば、素人でも綺麗な直線カットが可能です。
ジグソー・丸ノコがあるなら、是非入手しておきましょう。
自作スピーカーの作り方 スライド丸ノコでの切断あとは写真のようなスライド丸ノコがあれば楽にプロ並みの正確なカットが可能です。

切断幅がだいたい30cm程度までしかないのが難点ですが(機種にもよります)、今回のような小型エンクロージャーはもちろん、バックロードホーンなどの小さいパーツが多いエンクロージャー製作にはもってこいです。
カットラインにレーザーを照射して位置合わせできるタイプなどは、コンマ何mmの精度で切断することができます。しかも、速くて楽。

もちろん手ノコでも構いませんが、スピーカー作りはカットの精度・直線が命です。
電動工具は今やホームセンターで安価に入手できるので、是非なにかしらの切断系の電動工具を揃えてください。
また、どの工具を使うにしろ、切断工具は危険が伴います。無理に工具を揃えずにカットサービスを積極的に利用するのもひとつの手かもしれませんね。


自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−材の板取設計 へ進む

実践編−材の板取設計

初めての自作スピーカー作り講座 実践編

自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−材の板取設計


<材の板取り>
Fostex FF125WK推奨エンクロージャーさて、今回のFF125WK、メーカー推奨箱は左のとおり、今回はこのとおりの箱を作ろうと思います。

まずはこの図を元に、どのサイズの板が何枚必要か書き出してみましょう。

ここで気をつけなければいけないのは、板の「カブセ」です。

例えば天板を側板にかぶせる場合、天板は、内寸の142mmに左右の側板の厚み分を加えた幅にしてあげる必要があります。(下図参照)

どの板をどうかぶせるか決まりはありません。組み立ての手順や仕上がりの見栄えなどを考えて決めていきましょう。
そして、(下図のように)メモ用紙にカブセのイメージを書き出し、どの板が実際にどの寸法で必要なのか、具体的に書き出してみてください。
今回、私のこのスピーカーは、ごくごく一般的に
1.正面に木口を出さない。
2.カットや組み立てを簡単にするため、前板=背板、天板=底板、右側板=左側板と、同じ寸法で作ることに。
こんな方向でカブセを見込みました。

結果として、必要な板は次のようなものになりました。(板の厚みは15mm)。
天板&底板 172×218 (左右2台分で合計4枚)
左右側板 296×218 (左右2台分で合計4枚)
前板&背板 172×326 (左右2台分で合計4枚)


自作スピーカーの作り方 板取必要な板のサイズと枚数が決まったら、板取りを考えていきます。
今回は写真の具合で900mm×900mmの板1枚で収まりました。

左側2列は、下から前板・背板・天板です(各2セット分)。
真ん中の2列は、下から側板×2、底板です(各2セット分)
一番右側の長いものは余り、各列一番上のブロックも余りです。

板の無駄ができるだけ少ないように、そして同じ幅のものはできるだけまとめて切り落としていくように、板取の並びやカットの順番をよく考えておきましょう。

無垢材系は木目の向きを意識しなければいけませんが、合板系はさほどこだわらなくて良いので、無駄は最低限で済みます。

それと、墨出し(カットラインを板に書き入れていくこと)にあたっては、切断工具の刃の厚みを忘れずに計算に入れておいてください。
初めに全て線を引いてしまうと、切り上がりは刃の厚みの分、1〜2mmづつ短くなってしまいます。正確な寸法で切断するには、1カット終わってから都度寸法を当たって次のカットラインを決めていくのが確実です。


自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−各パーツの加工 へ進む

実践編-パーツの加工

初めての自作スピーカー作り講座 実践編

自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−各パーツの加工


<各パーツの加工>
自作スピーカーの作り方 バッフルの開口
カットが済んだら、続いて細部の加工に入ります。
まずは前板にユニットが入る穴を開けてみましょう。

FF125KWの場合、開口はφ104。
電動ドリルかトリマー/ルーター、ジグソーなどで丸い開口ができますが、今回は一番手軽な電動ドリルで説明をします。

電動ドリルに自在錐を取り付け、開口寸法を調整したら、あらかじめつけておいた開口センターの位置の印に、中心のドリルビットを合わせて開口をしていきます。

この時、下に捨て板を敷いておき、その捨て板まで刃がしっかりと入ってから回転を止めるようにすると裏側もきれいに開口できます。
自作スピーカーの作り方 バッフル開口2ユニット用の穴を開けたら、続いてバスレフポートの穴も開けてしまいましょう。

今回は自在錐で穴を開けましたが、この程度のサイズでしたらホールソーや太径ドリルでも構いません。手持ちの道具を使ってください。
これから道具を揃えるのであれば、上記で使用した自在錐は、その名のとおり開口φを自由に変えられて応用が利くのでお薦めです。

電動ドリルがなかったり、自在錐には大きすぎる開口の場合は、ジグソーで開口できます。あまり小さい開口は難しいですが、φ40前後以上の大きさであれば問題ありません。
コツは、常に(円周方向に)向きを変えていくよう意識しておくこと。ちょっと練習をすれば、かなり綺麗な円が切れるようになりますよ。
自作スピーカーの作り方 バスレフダクトついで、バスレフダクトの作成です。

ちなみにバスレフとは、「ヘルムホルツの共鳴」を利用して低音域の補強を図る方式のことです。
瓶の口に息を吹き込んでホーホー鳴らす、アレをスピーカーにも作ってあげるのです。

FF125WKはバスレフ推奨のユニットで、推奨のバスレフダクトはφ40×100mm。

今回ダクトは塩ビ管(VU40)を使用しました。ただ、これの内径がφ45。バスレフダクトは容積が同じならそう大きな変化はないので、φ40×100mmと同じ容積になるよう、長さを79mmにしてあります。

板取で余った端材に塩ビ管の外径で穴を開け、そこに塩ビ管を差し込んで接着します。しっかりと固まったら、先ほど穴を置けておいた前板の裏側に接着またはビス止めしておきましょう


自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−箱の組み上げへ進む

実践編-箱の組上げ

初めての自作スピーカー作り講座 実践編

自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−箱の組み上げ


<箱の組み上げ>
自作スピーカーの作り方 箱の圧着各パーツの切り出し・加工が終わったら、いよいよ組み上げです。

スピーカーの場合は、椅子などの木工と違い、ホゾなどの木組みは必要ありません。木工用ボンドでの圧着だけで必要充分な強度を得られます。

圧着には、写真のハタガネと呼ばれる道具が便利です。木工用ボンドを塗って摺り合わせ、ハタガネでググっと圧をかけてやります。
接合面に隙間があると低音がスカスカになってしまうので、ボンドはやや多めに、そしてうまく直線での切断ができていない場合は、更に多く塗ってやってください。(隙間をボンドでつぶすイメージ)

圧力をかけてはみ出してきたボンドは、濡れたウエス(布)できれいに拭いてください。拭ききれていないと、後で塗装をする際、ボンドの部分だけ色がつかずに見栄えが悪くなってしまいます。
自作スピーカーの作り方 箱の圧着2また、ハタガネで圧をかけていくと、木工用ボンドで材がすべって接合面がずれる時があります。
少しづつ圧力をかけ、ずれたらすぐに直しながら圧着を進めていきましょう。
慣れないうちは(時間はかかりますが)一枚づつ接着していくのが確実です。
一般的な木工用ボンドでは2〜3時間でハタガネを外して大丈夫です。

ひと通り接着が終わり箱の形になったら、接着部位をサンドペーパーでヤスリがけをします。段差を取り、拭ききれなかったボンドを削り取るイメージです。加えて面取り(角を少し丸める)をしたり、塗装に備えて全体をサンディングで整えれば仕上がりがグッと美しくなります。

自作スピーカー塗装
そして、最後に塗装をします。

ニスやオイルステイン、2液型のウレタン塗装などなど本当に色々な塗装方法があります。刷毛で塗るもの、ウエスに染み込ませて拭き上げ塗装をするもの、コンプレッサーにスプレーガンで噴霧吹き付け塗装をするもの、塗装方法も様々です。

また、市販のスピーカーの多くは、ツキ板を貼って見た目を整えてから塗装をしています。(ツキ板=厚手の紙程度に薄く加工した、ペラペラの板)

今回は、せっかく美しいシナアピトン合板を使っているので出来るだけその素地を生かすよう、オイルステイン仕上げとしてワトコのホワイトを塗ってみました(写真)。北欧系の家具をイメージさせる綺麗な白木仕上げのスピーカーとなってくれそうです。


自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−配線とユニットの取り付け へ進む

実践編-ユニットの取付

初めての自作スピーカー作り講座 実践編

自作スピーカー作り方講座 フルレンジ・バスレフスピーカーの作り方−Fostex FF125WK−配線とユニットの取り付け


<配線とユニットの取り付け>
自作スピーカーの作り方 ハンダ付け今回はフルレンジ1発のスピーカーなので、2Wayや3Wayのスピーカーのようにユニットごとに信号帯域を分割するディバイディングネットワークは必要ありません。

極端なことをいえば、ユニットからのラインをそのまま箱の外に出し、ダイレクトでアンプへ繋いでも良いのですが、後々のことを考えてやはりターミナルを付けることにしました。

内部配線は取り回しを優先して、あまり太すぎない素性の良いものであれば充分です。今回は手元にBeldenの8470の半端モノがあったのでそれを使うことにしました。
適当な長さに切って5mm程度剥き、ターミナルにハンダ付けします。

自作スピーカーの作り方 背面画像
ターミナルは色々なタイプのものが出ていますが、まずはあまりこだわらずに頑丈なものを選びましょう。

写真はFostexのT150B。
銅の接点を持つ、音質的にも優れた逸品です。
取り付けはそれぞれのチャンネル部分にφ20程度の穴をドリルで開けておくだけなので、取り付け的にも手間がありません。

また、ターミナルの取り付け位置に決まりはありません。
アンプまでのスピーカーケーブルを取り付けることを考え、背面の適当な位置を選びましょう。

自作スピーカー ユニットの取り付け
ターミナルの取り付けをしたら、内部配線の反対側をユニットに接続します。
ターミナルと同様ハンダ付けでも構いませんが、後々のユニットの取り外しや交換などを考えると、ファストン端子を使って取り外しが出来るようにしておいた方が何かと便利です。

配線を接続したら、内部に吸音材を入れます。まずは背板部分と底板部分あたりに入れて様子をみましょう。

吸音材を入れたら、いよいよスピーカーユニットを取り付けます。
鬼目ナットなどを使ってボルト止めでも良いですが、当面は木ネジでも充分です。木ネジも電動ドリルなどを使えば一発で打てないこともないですが、最後の仕上げですから慎重に下穴をあけ、手締めで確実に取り付けてあげましょう。

<さあ、完成だ!>
自作スピーカーFostexFF125WK完成図さあ、出来ました。
なかなか端正で品の良い顔立ちです。

早速音を出してみたいところですが、その前にひとつ知っておいて貰いたいことがあります。

こうした出来立てのスピーカーは、初めから良い音が出てくることはありません。良い音どころか、がっくりするような嫌な音が出てくるのが普通です。
それでもエージングが進めば、どんどん音が良くなっていきます。

初めのうちはその進化を楽しむ気持ちで、1日、1週間、1ヶ月と聞き込んでいきましょう。

さて、今回のスピーカーも、初めは少々暴れ気味で高音ばかりが耳につくひどい音でしたが、小一時間で落ち着いてきました。
その後数日でフルレンジ一発らしい定位の良さと、芯のあるしっかりとした低音が出るようになってきました。
バランスもすっかり良くなり、聴いていて疲れません。情報量も日増しに増えてきています。

さすがにFostex、このFF125WKはかなりの実力の持ち主です。
これから1ヶ月2ヶ月と鳴らしていけばもっともっと素晴らしいスピーカーに進化していくことでしょう。

自作スピーカー作り方講座 密閉型エンクロージャーの設計へ続く

密閉型SPの設計方法

自作スピーカー作り方講座 密閉型エンクロージャーの設計

自作スピーカー作り方講座 密閉型エンクロージャーの設計

前回の「自作スピーカー作り方講座 実践編 フルレンジバスレフスピーカーの作り方」では、FostexのFF125WKを使って、メーカーの推奨設計でエンクロージャー(箱)を製作していきました。そのユニットを知り尽くしているメーカーが推奨設計を公表している場合は、それに準じるのが確実です。
縦横の寸法まで全く同じでなくても、箱の容積、バスレフダクトの断面積×長さを同じにしておけば、ほぼ間違いありません。自分の好みやスピーカーを置きたい場所のスペースに合わせて縦長にしたり薄くしたり等々、「箱の容積」「バスレフダクトの断面積×長さ」を変えない範囲でアレンジして良いのです。あまり極端なものは音に影響が出てきますけど、そういったアレンジの楽しみも自作スピーカーならではの良い部分ですね。

ただし、Fostexのようにユニットごとに推奨エンクロージャーを公表してくれている親切なメーカーは稀です。大抵はパラメーターを公表して終わりのところがほとんどですので、そのパラメーターを読み解いて、初めの「箱の容積」「バスレフダクトの断面積×長さ」を算出する必要があるのです。
本格的な設計は非常に高度で複雑な計算が必要ですが、ここでは電卓とメモ用紙があれば計算できる比較的簡単な設計方法を紹介します。

まず、設計に必要なユニットのパラメーターは以下のとおりです。

エフゼロ最低共振周波数−通常エフゼロ、そのユニットの振動系部分が最も低く共振する周波数。ヘルツ(Hz)で表示される。foの表記がないときはFs(Resonance frequency)の数値で代用可能。
キューゼロ共振尖鋭度−通常キューゼロ、foにおける共振の鋭さを表している指標。大きいと低音が出やすいが、制動不足になりがち(モコモコボーボーとした音、低音の立ち上がり/立ち下がりが悪い)となり、一般的には1ぐらいまでが良いスピーカーとされる。Qoの表記がないときはQts(Total Q factor)の数値で代用可。
エムゼロ等価質量−通称エムゼロ、ユニットのうち振動する部分の質量。グラム(g)で表示される。コーンだけでなくボイスコイルやダンパーの質量に加え、空気抵抗も含まれている。moの表記がないときはMms(Moving mass)の数値で代用可能。
実効半径実効振動半径。そのユニットの口径とは異なり、音を出すために動いているコーンなどの部分の半径。エッジの一部も含まれる場合が多い。aの表記がないときはSd(Effective piston area/実効振動面積)から逆算する。aとSdは、aが半径でSdがその円の面積という関係。Sd=a×a×3.14。

fo(エフゼロ)、Qo(キューゼロ)、mo(エムゼロ)、そしてa−−まずはこの4つをチェックしてください。
この4つの数値を使って、そのユニットに合ったエンクロージャーの設計方法、まず初めに密閉型エンクロージャーでの設計方法をご紹介しましょう。
早速設計を…と行く前に、より理解を深めるために密閉型エンクロージャーの概要について軽く説明しておきます。

<密閉型エンクロージャーの特徴>
ユニットを密閉型エンクロージャーに取り付けると、その名のとおり箱の中の空気が密封されます。そうすると、箱の中の空気のバネの力 (Sc:箱の中の空気のスティフネス)により、振動板が動きにくくなります。密閉型スピーカーの設計をするにあたり、ここが大きなポイントになります。

このSc(空気のバネの力)は箱の内容積に反比例し、ユニットの振動板面積に比例します。
つまり、ユニットが同じなら箱を大きくするほどScの力は弱くなり、また、同じ箱なら大きなユニットを使うほどScの力は強くなる、ということです。

そして、ユニットの振動板を動きにくくするこのSc(空気のバネの力)により、密閉型エンクロージャーに取り付けたユニットのfo値は上昇します。上昇したfo値をfocと呼び、そのスピーカーシステムのトータルの最低共振周波数を意味します。同様に、Qoも上昇してQocとなり、トータルの共振尖鋭度を意味するようになります。

そして、Sc(空気のバネの力)が強いほどfocは上昇し、Scの力が弱いとfocはfoに近づいていきます。
つまり、ユニットが同じなら箱を小さくするほどfocとQocは上昇し、箱を大きくするほどfocとQocはユニット本来のfoとQoに近づいていく、ということです。
さらに言葉を変え、これを平たく言うと、密閉型エンクロージャーの場合、箱の容積でスピーカーシステムとしての基本的な低域特性が決定する、ということになります。

<密閉型エンクロージャーの設計方法>
さて、では実際にどのくらいの容積にすれば良いのでしょうか。
容積が大きいほどfocは下がりますが、同時にQocも下がってしまいます。Qocすなわち低域端付近の共振が小さすぎると低域の音圧を稼げず、いわゆる「低域ダラ下がり」のスピーカーになってしまいます。(右図青線)

逆に容積が小さすぎればfocとQocが極端に上昇し、低域端付近が盛り上がった不自然な音となります。(右図赤線)

一般的には、Qocが0.7ぐらいの時に音圧の最大平坦が得られると言われています。(右図黒線)
密閉型エンクロージャースピーカー自作 Qoc特性グラフ

エンクロージャー容積とfoc、Qocはそれぞれ相関関係にありますから、ユニットが決まり、Qocが決まっていれば残りの箱容積とfocは計算で導くことができます。
Qocを0.7として密閉型エンクロージャーの内容積を計算してみましょう。

箱の内容積をVとすると、次の計算式でVが求められます。お目当てのユニットのfo、Qo、mo、aの値を入れて計算してみてください。
スピーカー自作 密閉型エンクロージャー計算式

上の式のαというのは次の計算式で求めます。Qocは今回は0.7ですね。
スピーカー自作 密閉型エンクロージャーQ計算式

内容積Vが出たら、そのスピーカーシステムでのfocも計算してみましょう。
密閉型foc計算式


いかがでしたか。
妥当な結果が出てきましたでしょうか。
実はこの計算、いろいろなユニットで計算してみれば分かりますが、ある意味で完璧ではありません。
世の中には様々なタイプのユニットがありますので、そんなユニットに合わせて普通に計算すると、とてつもなく大きな箱になったり、非現実的なくらい小さな箱になったりしてしまいます。
また、Qoが小さいユニットでは、focが上がり過ぎる(=低音が出ない)、という残念な結果になることもしばしばです。
そのユニットが密閉型に向いていないといえばそれまでですが、今回、Qocを0.7で計算したことを思い出してください。
Qocは0.7が音圧最大フラットと云われていますが、実は0.5が臨界制動、聴感上は1.0くらいまで良いとも言われています。
ですので、Qocの値をだいたい0.5〜1.0の範囲でスライドさせて、出てきた容量とfocの値を見ながら適当なところを探ってみてください。
その範囲内を大きく外れなければ問題はないですし、また、そこまでのQocの範囲があれば箱容量もかなり融通をきかせられるはずです。
密閉型エンクロージャーならではの緻密で素直な音質のスピーカーがあなたを待っていますよ!



さて、以上が密閉型スピーカーの設計・自作の概要です。
続いて次回はバスレフ型エンクロージャーの設計について解説しようと思います。今しばらくお付き合いください。

自作スピーカー作り方講座 バスレフ型エンクロージャーの設計 へ続く


バスレフ型の設計方法

スピーカー自作講座 バスレフ型スピーカーの設計方法

自作スピーカー作り方講座 バスレフ型エンクロージャーの設計

前回の「自作スピーカー作り方講座 密閉型エンクロージャーの設計」では、密閉型エンクロージャーの特徴と設計方法について説明しました。今回はバスレフ型エンクロージャーについて解説しようと思います。密閉型ではうまく設計できないようなユニットも、このバスレフ型なら上手に設計できることでしょう。

バスレフ型は密閉型に比べて箱の容積の自由度が高く、またより低い周波数まで(充分なレベルで)再生できるというメリットがあるため、市販スピーカーのほとんどがこの方式を採用しています。密閉型ではただ箱に閉じ込めていたユニット後方への音波を、バスレフ型は(ヘルムホルツの共振を使って)積極的にダクトから放出させるという効率のよさも見逃せません。

さて、そんなバスレフ型ですが、設計にあたってはエンクロージャーの容積に加え、バスレフダクトの設計をしてやればOKです。
まず、設計に必要なユニットのパラメーターは以下のとおりです。

エフゼロ最低共振周波数−通常エフゼロ、そのユニットの振動系部分が最も低く共振する周波数。ヘルツ(Hz)で表示される。foの表記がないときはFs(Resonance frequency)の数値で代用可能。
キューゼロ共振尖鋭度−通常キューゼロ、foにおける共振の鋭さを表している指標。大きいと低音が出やすいが、制動不足になりがち(モコモコボーボーとした音、低音の立ち上がり/立ち下がりが悪い)となり、一般的には1ぐらいまでが良いスピーカーとされる。Qoの表記がないときはQts(Total Q factor)の数値で代用可。
エムゼロ等価質量−通称エムゼロ、ユニットのうち振動する部分の質量。グラム(g)で表示される。コーンだけでなくボイスコイルやダンパーの質量に加え、空気抵抗も含まれている。moの表記がないときはMms(Moving mass)の数値で代用可能。
実効半径実効振動半径。そのユニットの口径とは異なり、音を出すために動いているコーンなどの部分の半径。エッジの一部も含まれる場合が多い。aの表記がないときはSd(Effective piston area/実効振動面積)から逆算する。aとSdは、aが半径でSdがその円の面積という関係。Sd=a×a×3.14。

fo(エフゼロ)、Qo(キューゼロ)、mo(エムゼロ)、そしてa−−密閉型同様、この4つをチェックすれば大丈夫です。
まずはエンクロージャー容積ですが、基本計算式は実は密閉型と同じです。
スピーカー自作 密閉型エンクロージャー計算式

密閉型の設計ではこの式のαについてはQoを元に別式で算出しましたが、バスレフ型では設計の自由度が高く、α=0.5〜3.0の間で決めてやればそれなりにまとまった音のスピーカーになってくれます。使用するユニットの口径を踏まえ、一般的で実用的なサイズにするにはα=1〜2程度に設定するのがよいでしょう。

エンクロージャーの容積が決まったら、次はバスレフダクトの設計です。

まずは、ダクトで共鳴させる周波数(=チューニング周波数・fd)を算出します。これはユニットのQoの値によってfoを増減させて導き出します。下表を元に計算してください。

Qo0.200.220.250.280.300.320.350.380.40
fdfo×1.80fo×1.60fo×1.50fo×1.30fo×1.20fo×1.20fo×1.10fo×1.00fo×1.00
Qo0.420.450.480.500.520.550.580.600.62
fdfo×0.90fo×0.90fo×0.80fo×0.80fo×0.75fo×0.70fo×0.70fo×0.65fo×0.65

次いで、ダクトの開口面積(S)を決めます。
開口面積(S)はユニットの実効振動面積の0.2〜1倍程度とします。
実効振動面積はa×a×3.14、またはユニットスペックにSdの記載がある場合はその数値を使用し、その0.2〜1倍程度で計算しますが、特に小型エンクロージャーの場合は0.2倍ですら箱に比して大きすぎる場合があります。0.1倍程度まで小さくしても良いですが、その分、低域拡大効果は少なくなるので注意しましょう。

ダクトの開口面積(S)が決まったら、最後にダクト長さ(L)の計算です。
このダクト長さは、ダクトのチューニング周波数(fd)とダクト開口面積(S)はもちろん、内容積(V)も関わってきます。
計算式は
バスレフダクト長さ計算式

さて、以上でバスレフ型エンクロージャー設計に必要な、内容積およびダクト面積×長さが出てきました。
各数値を眺めてみてください。
最後に計算したダクト長さはエンクロージャー寸法に収まる長さでしたか?
時折とんでもない長さが導かれてきますが、バスレフ型の設計の場合、一発で計算を終えることはありません。
箱容積計算の際のαの数値(0.5〜3.0)やダクト開口面積(S・ユニットの実効振動面積の0.2〜1倍)を調整しながら、それぞれ適正な範囲で収まるようバランスを取っていきましょう。

なお、ダクト開口の形状は丸でも正方形でもよくて、さらに言えば2分割してダクト2本でも構いません。
スリットダクトにするという手もありますが、細いダクトは空気の抵抗が大きくなります。風切り音が大きくなったり低音の量感が減ったりというデメリットもありますが、ピーク感が減って素直な特性に聞こえる傾向もあります。デザイン的にも悪くはないので、お好みで試してみてください。